专利摘要:
本発明は、化粧用組成物または医薬組成物、特に皮膚科学組成物の調製のための有効成分としての、免疫細胞の活性化閾値を上昇させる活性物質の使用に関する。本発明はまた、そのような活性物質のスクリーニング方法にも関する。なし
公开号:JP2011513472A
申请号:JP2010550218
申请日:2009-03-16
公开日:2011-04-28
发明作者:アンドレ,ヴァレリー;ベシェトワレ,ニコラス
申请人:ビーエーエスエフ ビューティ ケア ソリューションズ フランス エスエーエス;
IPC主号:A61K8-97
专利说明:

[0001] 本発明は、皮膚免疫細胞および/または粘膜免疫細胞の活性化閾値を上昇させるための化粧用組成物または医薬組成物の調製のための有効成分の使用に関する。]
[0002] 本発明は、特に、敏感性皮膚または一時的に敏感、反応性または過反応性(hyperreactive)になっている皮膚の手当ておよび/または治療に関する。]
背景技術

[0003] 皮膚の炎症(irritation)およびアレルギー反応(遅延型接触過敏症または接触アレルギーまたは接触湿疹)は先進工業国の健康問題になっている。原因は、例えば、金属塩、化粧品および衛生用品、香料、薬物、保存剤、消毒薬、衣類、植物、等に見出される接触刺激物およびアレルゲンの数に伴って様々である。この同じ関連で、敏感または過反応性の皮膚を有すると言明する人の数は近年非常に増加している。この数は1980年代の人口の30%から今日約60%に上昇している。]
[0004] 皮膚敏感性の最も重要な原因の1つは、特に角質層の細胞間脂質の遺伝性/後天性欠損によって引き起こされるバリアー機能の低下に関連している。表皮の神経終末における変化、中枢神経系での神経伝達物質の蓄積または情報伝達の分断によって特徴付けられる感覚神経活性の増加もまた、皮膚敏感性の増加を引き起こす要因である。皮膚敏感性の第3の追加の原因は、特に表皮ランゲルハンス細胞(LC)の密度の測定可能な増加を含む免疫感度の増加であり、それは、最も極端な場合、接触蕁麻疹、接触炎症性(irritative)もしくはアレルギー性皮膚炎、またはアトピー性皮膚炎等の病理状態を生じさせる。]
[0005] 敏感性皮膚タイプの多型は、皮膚の刺すような痛み(stinging)、灼熱感、掻痒感、こわばり等の主観的感覚および潮紅、目に見える鱗状化および肥厚化等の客観的皮膚反応によって反映される。これらの見かけが悪くかつ/または不快な症状、特に炎症は敏感性皮膚の特徴である。最も極端な場合、炎症またはアレルギー反応さえも報告される。]
[0006] 化粧品学および薬剤学においてともに、特に炎症性反応または刺激反応を予防および/または治療することによって、すべての皮膚タイプの敏感性を低減することは公知の手法である。特に、皮膚が「敏感」であると言われる個体の場合、攻撃的物質または刺激条件への曝露は、わずかでさえ、見かけが悪くかつ/または不快な皮膚および/または粘膜の症状によって反映され、それは、回避することが適切な炎症または実質的刺激反応を生じさせる。敏感性皮膚の現在の治療は、皮膚をより寛容性にする目的、すなわち敏感性皮膚タイプの反応性閾値を上昇させる目的を有する。それは、刺激反応に対する低い被刺激性閾値によって特徴付けられる。これらの治療は、皮膚を「鎮静化する(calm)」製品の使用に基づく。]
[0007] しばしば成分が最小限に減らされ、かつ、敏感性またはアレルギー性表皮に原理的に適さない物質が除外されている、特別な「敏感性皮膚」化粧用製剤。香料も、アルコールも、染料も、顔料も、保存剤も、活性物質も含有せず、かつ中性pHを有する保湿用製品の使用に言及することができる。]
[0008] 微量元素および鉱酸塩に富む天然水に基づく鎮痛(soothing)または鎮静(calmative)用製品は、等張性等の生理食塩水の特性と類似の特性を有する。これらの製品は、ゼニアオイ、カラスムギおよびヤグルマギク等の鎮静性および抗炎症性植物抽出物で強化することができる。]
[0009] 表皮がすべてのその保護機能を回復するように表皮のハイドロ脂質(hydrolipid)フィルムを再構築する天然分子で皮膚バリアーを強化する能力を有する保護用製品。皮膚脂質の前駆体であるセラミドはこのタイプの適用に典型的に使用される。また、過反応性皮膚の手当てに関して、フィルム形成作用を有するサッカライドに基づく製品が報告される。]
[0010] 皮膚の敏感性神経線維受容体に作用することによって、β−エンドルフィン様製品等のニューロコスメティック(neurocosmetic)活性を有するストレス解消用(Destressing)製品。これらの製品は、概して、α−MSH(メラノサイト刺激ホルモン)等の抗炎症性ニューロメディエーター(neuromediator)を放出することによってか、またはTNFα(腫瘍壊死因子アルファ)、IL−1β(インターロイキン1ベータ)またはPGE2(プロスタグランジンE2)等の内因性抗炎症性因子を阻害することによって、抗炎症作用と共役している。]
[0011] 基本的にすべての皮膚細胞が関与する皮膚免疫成分は以下のものから主に構成される:
・皮膚樹状細胞(DC):抗原提示細胞(AgPC)としてのその機能のせいで皮膚の免疫応答の原因であるランゲルハンス細胞および真皮DC(DDC);
・ケラチノサイト:ケラチノサイトは、それが構成する基礎的な皮膚微小環境(汗、皮脂、抗菌性ペプチド、成長因子、サイトカイン、ケモカイン、等)のせいで、皮膚のCDの重要な細胞性パートナーである。]
[0012] 抗原、例えばアレルゲン、病原体および/または異物による刺激中に、皮膚DCは以下の機能を有する:
・抗原を集めるかまたは捕獲する機能;
・皮膚の外側でかつリンパ神経節の方向に遊走する機能;
・特異的適応的免疫(specific adaptative immunity)を惹起するために抗原情報をリンパ球に提示する機能。]
[0013] また、皮膚DCは、隣接するケラチノサイトによって送達されるすべての内因性シグナルを集約する必要がある。特に、任意の刺激下でかつその性質に応じて、ケラチノサイトは非常に広い群の可溶性メディエーター(例えばサイトカイン、等)を生産し、それらはLCおよびDDCの免疫機能に影響する。]
[0014] 抗原の捕獲後、皮膚DCは表現型および機能的変化を受ける:
・抗原の捕獲はLCおよびDDCの活性化を誘導し、それらは「活性化された」表現型を獲得する。この活性化された表現型は、共刺激分子CD80およびCD86の強い発現によって反映され、それらはDCによるTリンパ球の活性化閾値に直接関与する。また、クラスIIMHC(主要組織適合複合体)、および特にHLA−DRの分子の膜発現は、DCの表面での抗原性ペプチドの提示のせいで非常に増加する。
・また、LCおよびDDCの活性化は、皮膚の外側でかつリンパ神経節の方向へのDCの遊走に必須なCCR7受容体の発現の獲得と相関する。
・その遊走中、LCおよびDDCは成熟プロセスを経て、「成熟」DC表現型を獲得する。リンパ球の感作および免疫の確立に必須のこの成熟状態は、マーカーCD83およびDC−LAMPの発現によっておよびサイトカインを分泌する能力によって反映される。]
発明が解決しようとする課題

[0015] 発明の目的
本発明の主目的は、個体の免疫細胞、特に皮膚免疫細胞および/または粘膜免疫細胞の活性化閾値を上昇させることが可能な有効成分を提供することである。その結果、皮膚および/もしくは粘膜の敏感性ならびに/または皮膚および/もしくは粘膜の反応性が減少し、かつ/または皮膚および/もしくは粘膜の寛容が増加する。したがって、これは、化粧品または医薬品による、特に皮膚科学的な、治療および/または手当ての関連で明らかに重要である。]
[0016] また、本発明の目的は、皮膚DCの2つの集団(LCおよびDDC)の応答を考慮に入れた、上述の活性を有する物質をスクリーニングするためのスクリーニングモデルを提供することである。]
課題を解決するための手段

[0017] 発明の詳細な説明
本発明は、化粧用組成物中の個体の免疫細胞の活性化閾値を上昇させるための活性剤としての、または好ましくは個体の免疫応答の活性化閾値を上昇させることを意図した医薬組成物、特に皮膚科学組成物の調製のための、Phoradendron piperoidesの植物抽出物、Cestrum latifoliumの植物抽出物、Spilanthes oleraceaの植物抽出物、Maprounea guyanensisの植物抽出物、セクリニン(securinine)、フォリオシジンアセトニド(foliosidine acetonide)、8−オキソプソイドパルマチン(8-oxopseudopalmatine)、またはそれらのいずれかの組み合わせより選択される少なくとも1種の有効成分の使用に関する。そのような有効成分は、有利には、個体の皮膚および/または粘膜の少なくとも部分の敏感および/または反応性を低減することを可能にする。]
[0018] 用語「低減する(低下させる)(reduce)」によって、本発明者らは、個体の皮膚および/または粘膜の少なくとも部分の反応性を少なくとも部分的に減少させかつ/または制限することを意味する。]
[0019] 有利には、有効成分は皮膚および/もしくは粘膜免疫反応を低減および/または予防する。]
[0020] 有利には、有効成分は免疫細胞の少なくとも1つのタイプ、特に樹状細胞の活性を低減および/または阻害する。]
[0021] 有利には、有効成分は少なくとも表皮ランゲルハンス細胞(LC)および/または真皮樹状細胞(DDC)の活性を低下させる。]
[0022] 有利には、有効成分は鎮静剤と組み合わされる。]
[0023] 本発明の有効成分は、免疫細胞、特にDCの活性化閾値を上昇させることによって免疫応答を低下させる能力を有する。特に、本発明の有効成分は、有利には、皮膚の免疫能力に対して免疫抑制性であり、それは、皮膚の炎症性経路と基本的に異なる。現在の抗炎症性製品は、本質的に、皮膚のケラチノサイトによって分泌される可溶性炎症促進性因子(サイトカイン、インターロイキン、等)の合成能力を低下させる。本発明の物質は完全に異なる調節経路を標的にし、それは皮膚の免疫応答の経路である。これらの作用様式は相補的であるかもしれない。]
[0024] 個体の免疫細胞、特にDCの活性化閾値は、活性化マーカー、特に活性化マーカーCD86の発現によって規定される。正常な皮膚では、未成熟でかつ不活性化型のDCは、これらの細胞の活性化閾値であると本発明者らが定義した基底レベルのCD86発現を有する。ゆえに、未成熟不活性化DC上の活性化マーカー、特にCD86の発現の低下は、免疫細胞の活性化閾値の上昇によって反映される。]
[0025] 本発明は、単に皮膚免疫応答の間接的経路、特に皮膚環境、特にケラチノサイトによる可溶性免疫メディエーター(サイトカイン)の分泌に作用する標準的抗炎症性製品と対照的に、皮膚のDCを標的にする利点、すなわち免疫応答を標的にする利点を有する。]
[0026] 有利には、本発明の有効成分は、特に敏感性皮膚の反応性を低下させるために、(i)未成熟樹状細胞により基底レベルで発現されるCD86;(ii)活性化樹状細胞により発現されるCD40、CD54、CD80、HLA−DR、CCR7またはCD86;および(iii)活性化成熟樹状細胞により発現されるCD40、CD54、CD80、HLA−DR、CCR7、CD86、CD83またはDC−LAMPより選択されるマーカーの少なくとも1つのタイプの発現を皮膚で低下させる。]
[0027] 本発明は、免疫応答を誘発する閾値を上昇させると同時に、個体がその必要性を有する時に、例えば皮膚の細菌攻撃中に、または一般に病原体物質、非常に攻撃的な化学物質および/または異物の存在下で、以後の免疫応答に最小限の影響しか有しないという利点を有する。一方、皮膚中の可溶性炎症促進性メディエーターの合成を低下させる抗炎症性製品は、皮膚のDCの以後の応答を考慮に入れない。ゆえに、抗炎症性製品での標準的治療では、免疫応答は遮断されるか、または最低限でも損なわれる。これは、免疫応答アクチベーターによる攻撃を受けている個体の皮膚の不十分な保護しか与えないという欠点を明らかに有する。]
[0028] ゆえに、有利には、本発明の有効成分は、免疫応答、特に樹状細胞の免疫機能性を実質的に阻害しない。]
[0029] さらに、本発明の有効成分は、局所投与後に有効成分がもはや皮膚と接触しない時点で、基底免疫活性、特に樹状細胞の基底免疫活性の部分的回復を可能にする。]
[0030] 本発明の有効成分は、任意の皮膚タイプに好適であり、特に敏感、反応性および/もしくは過反応性の皮膚および/または特にビタミンA酸での治療および/もしくは攻撃的物質および/もしくは攻撃的条件等の攻撃的皮膚科学的治療によって一時的に敏感になっている皮膚を有する個体の美容ケアおよび/または美容治療に好適である。]
[0031] 一般に、敏感性皮膚は、攻撃的物質、特に環境物質、例えば汚染物質、気候因子(風、寒冷、熱)、UVへの曝露、感情因子、特にストレスおよび/または化学物質(重金属、界面活性剤、美容治療薬に含まれる化合物、例えば香料、保存剤、アルコール、pHもしくはAHA、または皮膚科学的治療薬、例えばビタミンA酸)および/または攻撃的条件、特に蒸散、および機械的侵襲、例えば脱毛、シェービングおよび摩擦をもはや許容しないか、またはかろうじて許容する皮膚として定義される。敏感性皮膚または一時的に敏感になっている皮膚は病理学的特性を有する皮膚ではない。それにもかかわらず、それは、皮膚の刺すような痛み、灼熱感、掻痒感、こわばり、潮紅、目に見える鱗状化または肥厚化等の非審美的かつ/または不快な皮膚および/または粘膜の症状によって攻撃的物質および/または条件に反応する。ゆえに、「敏感性皮膚」特性は、主観的皮膚感覚を用いて個体自身によって評価されるか、または客観的皮膚反応を用いて皮膚科医によって評価される。]
[0032] 本発明は、ゆえに、敏感性皮膚、または一時的に敏感、反応性または過反応性になっている皮膚の上昇しかつ/または過剰な応答を予防および/または低減するために皮膚のDCの活性化および/または成熟のレベルの制御を可能にする。]
[0033] 実施バリエーションの1つでは、本発明は、非審美的かつ/または不快な皮膚および/または粘膜の症状を予防および/または治療するための有効成分の美容的使用を包含する。ゆえに、本発明の有効成分は美容ケアおよび/または美容治療に特に好適である。それらは、特に攻撃的物質および/または攻撃的条件に対する鎮静作用および/または抗炎症作用および/または保護作用を有する化粧用組成物の調製を特に可能にする。]
[0034] ゆえに、本発明は、該当する個体の皮膚および/または粘膜の健康的状態(美容ケアまたは治療)または病理状態(皮膚科学的または医薬品によるケアまたは治療)に応じて2つの異なるタイプの手当ておよび/または治療に関する。]
[0035] 別の実施バリエーションでは、本発明は、免疫応答の活性化によって引き起こされる病理状態を予防および/または治療するための、医薬組成物、特に皮膚科学組成物の調製のための有効成分を包含する。]
[0036] また、本発明の対象は、局所投与に好適な化粧用ビヒクル中に、0.001重量%〜10重量%の濃度でのPhoradendron piperoidesの植物抽出物、Cestrum latifoliumの植物抽出物またはSpilanthes oleraceaの植物抽出物、1×10−7%〜1%の濃度でのセクリニン、フォリオシジンアセトニド、8−オキソプソイドパルマチン、およびそれらのいずれかの組み合わせより選択される有効成分を含む化粧用組成物である。]
[0037] また、本発明は、局所投与に好適な医薬用および/または皮膚科学用ビヒクル中に、Phoradendron piperoidesの植物抽出物、Cestrum latifoliumの植物抽出物、Spilanthes oleraceaの植物抽出物、セクリニン、フォリオシジンアセトニド、8−オキソプソイドパルマチン、およびそれらのいずれかの組み合わせより選択される有効成分を含む、特に樹状細胞の、免疫応答の活性化閾値を上昇させるための、特に皮膚および/または粘膜の反応性を予防および/または治療するための、医薬組成物および/または皮膚科学組成物に関する。]
[0038] また、本発明は、炎症または皮膚および/もしくは粘膜のアレルギー反応、特に接触反応、遅延型接触過敏症、接触湿疹、蕁麻疹、特に接触蕁麻疹、接触炎症性もしくはアレルギー性皮膚炎、および/またはアトピー性皮膚炎を予防および/または治療するための医薬組成物、特に皮膚科学組成物の調製のための、少なくとも1種の有効成分の使用に関する。]
[0039] 有利には、抗炎症剤をさらに含む医薬組成物の調製に少なくとも1種の本発明の有効成分を使用する。]
[0040] 優先的様式の1つでは、病理状態は、炎症または皮膚および/もしくは粘膜のアレルギー反応、特に接触反応、遅延型接触過敏症、接触湿疹、蕁麻疹、特に接触蕁麻疹、炎症性もしくはアレルギー性接触皮膚炎、および/またはアトピー性皮膚炎である。蕁麻疹は、特に、皮膚および/または粘膜の症状を生じさせる接触蕁麻疹および/または食事性蕁麻疹である。]
[0041] 好ましくは、医薬組成物および/または皮膚科学組成物は、炎症または皮膚および/もしくは粘膜のアレルギー反応、特に接触反応、遅延型接触過敏症、接触湿疹、蕁麻疹、特に接触蕁麻疹、炎症性もしくはアレルギー性接触皮膚炎、および/またはアトピー性皮膚炎を予防および/または治療するためのものである。]
[0042] 皮膚および/または粘膜の免疫応答の活性化は、少なくとも1つのタイプの免疫細胞、特に樹状細胞(DC)、例えば表皮ランゲルハンス細胞(LC)および/または真皮樹状細胞(DDC)の活性化によって特徴付けられる。]
[0043] 皮膚のDCはその特異的マーカーによって特徴付けられ、LCおよびDDCはそれぞれランゲリン(langerine)およびDC−SIGNを特異的に発現する。]
[0044] 未成熟樹状細胞は、特にTNFαおよび/もしくはLPS(リポ多糖)タイプの活性化剤および/または成熟化剤での活性化前の基底の表現型状態によって規定される。]
[0045] 「活性化」樹状細胞は、特にTNFαおよび/もしくはLPSタイプの活性化剤および/または成熟化剤で誘導された状態に相当する活性化型の表現型状態によって規定される。]
[0046] 活性化剤および/または成熟化剤、すなわち少なくとも1種のDCマーカーの発現を上昇させる物質はDCに関する危険信号であり、それは免疫応答を誘発する。この物質は限定されない。これらの物質は、特に化学的または生物学的物質、例えばLPSまたはTNFαであり、気流、汚染物質、15℃未満または40℃を超える温度等の皮膚を刺激するパラメータであり、それは、少なくとも1種のDCマーカーの発現を上昇させるために使用または適用される。]
[0047] 本発明は、特に、哺乳動物、特にヒトに関する。]
[0048] 本発明の有効成分は植物抽出物または特徴付けられた分子である。該抽出物は、有利には、Phoradendron piperoides、Cestrum latifolium、Spilanthes oleracea、Maprounea guyanensisおよびそれらのいずれかの混合物からなる群より選択される植物由来である。好ましい、特徴付けられた分子は、セクリニン、フォリオシジンアセトニドおよび8−オキソプソイドパルマチンからなる群より選択される。2種以上の上述の有効成分の任意の比率の混合物もまた、本発明によって包含される。特に有利な様式の1つでは、有効成分はCestrum latifoliumの植物抽出物および/またはセクリニンである。]
[0049] 本発明で有用な植物抽出物は当分野の標準的方法にしたがって取得される。]
[0050] 植物に応じて、溶媒または溶媒の混合物、好ましくは極性プロトン性溶媒中で、有利には水、アルコール、グリコール、ポリオール、100/0〜0/100(v/v)の水/アルコール、水/グリコールまたは水/ポリオール混合物(例えばエタノール、グリセロール、ブチレングリコールまたは他のグリコール、例えばキシリトール、等と混合された水)中で好ましくは1%〜10%(w/w)の、根、根茎、茎、樹皮、花、果実、芽、種子および葉より選択される植物の少なくとも部分を、例えば浸漬(maceration)によって、抽出することが有利である。得られた抽出物を、好ましくは、遠心分離し、かつ/またはろ過し、かつ/または蒸留して、活性な可溶性画分(粗製抽出物)を回収する。]
[0051] 植物抽出物は、水、アルコール、ポリオール、グリコール、またはそれらの混合物等の溶媒中に優先的に溶解される。本発明では、植物抽出物は、0.001重量%〜10重量%、有利には組成物の重量と比較した重量基準で0.01%〜5%、より具体的には1%の濃度で優先的に使用される。]
[0052] 活性物質は、例えば凍結乾燥または噴霧(atomization)により、溶媒を蒸発させて除くことによって濃縮することができる。]
[0053] 特徴付けられた分子(有効成分)は、極性溶媒、例えば水、エタノール、グリコールまたはDMSO中での溶解によって有利に調製される。]
[0054] 本発明では、特徴付けられた分子は、好ましくは、1×10−7重量%〜1重量%、有利には組成物の総重量と比較した重量基準で1×10−5%〜1×10−1%、特に1×10−1%の濃度で使用される。]
[0055] 好ましくは、該組成物は、好ましくは局所投与される化粧用組成物または医薬組成物、特に皮膚科学組成物である。]
[0056] 例えば、最終化粧用製剤中の有効成分0.5%〜10%の割合で、かつ皮膚1cm2あたり最終化粧品1mgの投与率で、皮膚cm2あたりに投与される有効成分の量は、有利には、特徴付けられた分子の場合で10−13g〜10−12g、植物起源の有効成分の場合で10−5g〜10−4g(溶媒中0.001重量%〜10重量%の植物抽出物)である。]
[0057] 本発明の化合物は、優先的に、化粧用組成物または医薬組成物、優先的には皮膚科学組成物の形式で使用される。]
[0058] 該組成物は、任意の好適な溶媒および/または任意の好適なビヒクルおよび/または任意の好適な賦形剤を、任意により目的の他の化合物と組み合わせて、含有してよい。]
[0059] 結果として、これらの組成物では、賦形剤は、例えば、保存剤、皮膚軟化剤、乳化剤、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、品質改良剤(conditioning agents)、マット化剤(mattifying agents)、安定化剤、酸化防止剤、テクスチャー化剤(texturing agents)、光沢剤(sheen agents)、フィルム形成剤、可溶化剤、顔料、染料、香料および日焼け止めからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有する。これらの賦形剤は、好ましくは、アミノ酸およびその誘導体、ポリグリセロール、エステル、セルロースポリマーおよび誘導体、ラノリン誘導体、リン脂質、ラクトフェリン、ラクトペルオキシダーゼ、ショ糖に基づく安定化剤、ビタミンEおよびその誘導体、天然および合成ワックス、植物油、トリグリセリド、不けん化物、植物ステロール、植物エステル、シリコーンおよびその誘導体、タンパク質加水分解産物、ホホバ油およびその誘導体、脂/水溶性エステル、ベタイン、アミン・オキシド、植物抽出物、ショ糖エステル、二酸化チタン、グリシンおよびパラベンからなる群より選択され、より好ましくは、ブチレングリコール、ステアレス−2、ステアレス−21、グリコール−15ステアリルエーテル、セテアリルアルコール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、ブチレングリコール、天然トコフェロール、グリセリン、ジヒドロキシセチルリン酸ナトリウム、イソプロピルヒドロキシセチルエーテル、ステアリン酸グリコール、トリイソノナノイン、オクチルココアート(octyl cocoate)、ポリアクリルアミド、イソパラフィン、ラウレス−7、カルボマー、プロピレングリコール、グリセロール、ビサボロール、ジメチコーン、水酸化ナトリウム、PEG−30ジポリヒドロキシステアラート、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、セテアリルオクタノアート、アジピン酸ジブチル、ブドウ種子油、ホホバ油、硫酸マグネシウム、EDTA、シクロメチコーン、キサンタンガム、クエン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、鉱ろうおよび油、イソステアリルイソステアラート、プロピレングリコールジペランゴナート、プロピレングリコールイソステアラート、PEG−8、蜜ろう、硬化パーム核油グリセリド、硬化パーム油グリセリド、ラノリン油、ゴマ油、乳酸セチル、ラノリンアルコール、ヒマシ油、二酸化チタン、ラクトース、ショ糖、低密度ポリエチレンおよび等張生理食塩水からなる群より選択される。]
[0060] 有利には、上述の組成物は、特に瓶またはチューブ中の、水性または油性溶液、水性ゲルもしくはクリームまたは油性ゲル、特にシャワージェルまたはシャンプー;ミルク;エマルジョン、マイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン、特に水中油型または油中水方または複合型(multiple)またはシリコーンに基づくもの;特にガラス、プラスチックまたは計量ボトル(dose-metering bottle)中の、またはエアロゾルとしての、ローション;アンプル;液体セッケン;皮膚科学用バー(bar);軟膏;ムース;好ましくは液体、ペーストまたは固体の、例えばスティック、特にリップスティックまたは錠剤の剤形の無水製品;ゲルカプセル;シロップ;顆粒;粉末からなる群より選択される剤形で製剤化される。]
[0061] 本明細書中で使用される用語「局所投与」とは、特に直接塗布または蒸発による、皮膚および/または粘膜の表面への本発明の組成物の投与を意味する。]
[0062] また、本発明は、経口投与、特に栄養補給食品の投与を包含する。]
[0063] 本明細書中で使用される用語「好適な化粧用または皮膚科学用ビヒクル」とは、組成物またはその成分が、ヒト皮膚に接触させて使用するために好適であり、いかなる過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー性応答、またはそれらと当価な性質をも有さないことを意味する。]
[0064] 皮膚の健康および/または外見を改善するための多数の化粧用活性成分が当業者に公知である。当業者は、最良の効果を得るために化粧用および/または皮膚科学組成物を製剤化する方法を知っている。さらに、本発明に記載される化合物は、互いに組み合わされた場合に相乗効果を有する。これらの組み合わせもまた本発明によって包含される。CTFACosmetic Ingredient Handbook, Second Edition(1992)では、局所用途に特に好適な、化粧品および医薬産業で一般に使用される種々の化粧用および医薬用成分が記載されている。これらのクラスの成分の例は、非限定的に、以下の化合物を含む:研磨剤(abrasive agents)、吸収剤、審美的目的のための化合物、例えば香料、顔料、染料、精油、収斂薬、等(例えば:チョウジ油、メントール、カンファー、ユーカリ油、オイゲノール、乳酸メンチル、ハメリス(hamelis)蒸留物)、抗座瘡薬、抗凝集剤、消泡剤、抗菌剤(例えば:ブチルカルバミン酸ヨードプロピル)、酸化防止剤、結合剤、生物学的添加物、バッファー、膨張剤、キレート剤、添加物、殺生物剤、変性剤、増粘剤、およびビタミン、およびそれらの誘導体または当価物、フィルム形成材料、ポリマー、乳白剤、pH調節剤、還元剤、脱色剤またはライトニング剤(lightening agents)(例えば:ヒドロキノン、コウジ酸、アスコルビン酸、アスコルビルリン酸マグネシウムまたはアスコルビルグルコサミン)、および品質改良剤(例えば:湿潤剤)。]
[0065] 特に、できるだけ完全に皮膚の敏感の状態を改善するために、本発明にしたがって本発明の有効成分を、以下の、その特性で知られている特徴付けられた分子および植物抽出物より選択される1種以上の他の活性剤と組み合わせることが特に有利である:
・ニューロコスメティクス(neurocosmetics)、
・外用鎮痛薬、
・皮膚鎮静剤、特にPLA2インヒビター、細菌起源のエキソ多糖、特に化粧用鎮静剤、例えばAesculus hippocastanumの抽出物(CAS 8053−39−2)、特許EP0987010に記載のAlteromonas fermentの抽出物、特許FR2847267に記載の活性成分および特に、出願人によってInhipaseTMの名称の下に販売されているPueraria lobataの根の抽出物。
・創傷治癒剤、例えばパンテノールおよびその誘導体、例えばエチルパンテノール、Aloe vera、パントテン酸およびその誘導体、アラントイン、ビサボロール、およびグリチルリチン酸2カリウム、
・抗炎症剤、例えばステロイド性および非ステロイド性抗炎症薬、特にサイトカインおよびケモカインの生産のインヒビター、シクロオキシゲナーゼのインヒビター、一酸化窒素(NO)およびNOS一酸化窒素シンターゼのインヒビター。言及することができる抗炎症性製品の例には、Gingko bilobaの抽出物、トリラクトンテルペン、例えばギンコライド(gingkolides)、特にギンコライドBおよび、血小板活性化因子(PAF)に対するアンタゴニスト特性で知られるビロバライドが含まれる。]
[0066] ・エラスターゼインヒビター、例えばHaslea ostrearia抽出物、例えば出願人によって販売されているBlue algae抽出物TM
・保湿および/または抗炎症剤、例えばPalmaria palmate抽出物、例えば出願人によって販売されているSea ParsleyTM製品。]
[0067] また、本発明は、本発明の有効成分を、敏感性皮膚または一時的に敏感、反応性および/または過反応性になっている皮膚の美容ケアおよび/または治療で知られる他の有効成分と組み合わせて含む化粧用組成物に関する。]
[0068] 本発明は、上に列挙される種々の治療に関する活性剤をそれを必要としている個体に、特に局所投与によって、投与するステップを含む治療的処置方法を包含する。]
[0069] また、本発明は、これらの有効成分をスクリーニングするための方法に関する。]
[0070] バリエーションの1つでは、本発明は、皮膚樹状細胞および/または粘膜樹状細胞の免疫応答の活性化閾値を上昇させることが可能な有効成分をスクリーニングするための方法であって、
(i)未成熟または活性化樹状細胞(DC)を含む培養培地を調製するステップ;
(ii)DCを含む培地を、皮膚樹状細胞の免疫応答の活性化閾値を上昇させる能力に関してスクリーニングされる対象の少なくとも1種の物質と接触状態にするステップ;
(iii)DCを回収して、DC活性化マーカーの発現を定量するステップ;
(iv)ステロイド性抗炎症剤、優先的にはデキサメタゾン等の陽性対照を用いて得られたDC活性化マーカー発現の値と比較して、スクリーニング対象の物質と接触状態にされたDCの活性化マーカーの発現の値を比較し、皮膚樹状細胞および/または粘膜樹状細胞の免疫応答の活性化閾値を上昇させる有効成分を選択するステップ
を含む方法に関する。]
[0071] 別のバリエーションでは、本発明は、皮膚樹状細胞および/または粘膜樹状細胞の免疫応答の活性化閾値を上昇させることが可能な有効成分をスクリーニングするための方法であって、
(i)未成熟または活性化樹状細胞(DC)を含む培養培地を調製するステップ;
(ii)DCを含む培地を、皮膚樹状細胞の免疫応答の活性化閾値を上昇させる能力に関してスクリーニングされる対象の少なくとも1種の物質と、および少なくとも1種のDCマーカーの発現を上昇させることによって免疫応答を活性化することで知られている少なくとも1種の薬剤と接触状態にするステップ;
(iii)DCを回収し、スクリーニング対象の物質または有効成分での処理および該薬剤での刺激後のDC活性化マーカーの発現を定量するステップ;
(iv)ステロイド性抗炎症剤、優先的にはデキサメタゾン等の陽性対照を用いて得られたDC活性化マーカー発現の値と比較して、スクリーニング対象の物質および該薬剤と接触状態にされたDCの活性化マーカーの発現の値を比較し、該薬剤の存在下で皮膚樹状細胞および/または粘膜樹状細胞の免疫応答の活性化閾値を上昇させる有効成分を選択するステップ
を含む方法に関する。]
[0072] 少なくとも1種のDCマーカーの発現を上昇させるための薬剤は、LPSおよびTNFαの混合物等の、免疫細胞の応答を刺激することが知られている薬剤であってよい。]
[0073] 有利には、該方法はさらに、
(iiib)ステップ(iii)で回収されたDCの一部を、いかなる有効成分またはスクリーニング対象の物質をも含まない培養培地中で、これらの細胞がその基底活性化レベルを回復するために十分な時間、再培養するステップ;
(ivb)ステップ(iiib)後のDC活性化マーカーの発現を定量して、皮膚樹状細胞の免疫応答の活性化閾値を上昇させかつステップ(iiib)後に免疫応答の活性化を可能にする有効成分を選択するステップを含む。皮膚樹状細胞の免疫応答の活性化閾値を上昇させる能力に関してスクリーニングされる対象の物質は、例えば、DC活性化マーカーの発現を抑制する能力を定量することが所望である対象の植物起源の物質または特徴付けられた分子等の物質である。]
[0074] 特徴付けられた分子とはその化学構造が公知の分子である。]
[0075] DC活性化マーカーは、好ましくは、CD40、CD54、CD80、CD86、HLA−DR、CCR7(MIP−3β(マクロファージ炎症性タンパク質−3ベータ)ケモカイン受容体である)より選択される。]
[0076] DC成熟マーカーは、好ましくは、CD83およびDC−LAMPより選択される。]
[0077] DC活性化マーカーの発現を定量するために、任意の方法を使用することができる。RT−PCR法、特に定量的RT−PCR法、またはフローサイトメトリー法またはELISA法を好都合に使用することができる。]
[0078] ゆえに、DC活性化マーカーの発現は、DC活性化マーカーのタンパク質発現およびDC活性化マーカーの遺伝子発現(mRNA)の両者を対象にする。]
[0079] 対照と比較した、有効成分を選択するためのDC活性化マーカーの発現の値の比較は、陽性対照および陰性対照を用いて実施され、陽性対照および陰性対照は、好ましくは、活性化剤および/または成熟化剤、例えばLPS/TNFα混合物、および免疫抑制剤、例えばデキサメタゾンである。]
[0080] 有利には、スクリーニングされる物質は、それがスクリーニング方法にしたがって、LPS50μg/mLおよびTNFα10ng/mLによって構成される活性化剤の存在または不存在下でLCまたはDDCによって発現されるCD86のタンパク質発現の95%以下、好ましくは70%未満のLCまたはDDCによって発現されるCD86のタンパク質発現、および/またはLPS50μg/mLおよびTNFα10ng/mLによって構成される活性化剤の存在または不存在下でLCまたはDDCによって発現されるCD86の遺伝子発現の95%以下、好ましくは75%未満のLCまたはDDCによって発現されるCD86の遺伝子発現を達成することを可能にする場合に有効成分または活性物質であるとみなされる。]
[0081] 他の実施形態では、本発明は、刺激物または潜在的刺激物と組み合わせた、本発明の有効成分の局所的使用、好ましくは非治療的使用に関する。]
[0082] また、本発明は、皮膚および/または粘膜(mucousa)に接触させるための、本発明の有効成分(actives principles)および刺激物を含む組成物に関する。刺激物は、例えば界面活性剤、接触攻撃的物質、保存剤、特にグリコール誘導体、特にペンチレン(pentylen)グリコール誘導体、化粧用刺激物、例えばAHA、特に、グリコール酸、乳酸およびその混合物、例えばレチノールおよびレチノイド誘導体、特にレチンアルデヒド、レチノイン酸、例えばサリチル酸であってよく、かつ/または化粧用組成物における規制条件下で許容されるEEC Directive 76/768に列挙される1種または数種の成分、特にAnnex 3に列挙される成分と組み合わされていてよい。]
[0083] 他の実施形態では、本発明の有効成分は毎日の美容ケア組成物中で使用することができる。ゆえに、本発明は、少なくとも1種の本発明の有効成分、好ましくはCestrum latifolium抽出物を、場合により化粧用刺激物と組み合わせて、皮膚および/または粘膜に有効量で毎日投与する美容ケアおよび/または治療方法に関する。]
[0084] 説明のための記載を読めば、本発明の他の目的、特徴および利点は当業者に明白になる。該説明のための記載は実施例を参照し、該実施例は、純粋に説明目的で記載され、いかなる意味においても本発明の範囲を限定するとみなされるべきではない。]
[0085] 実施例は本発明の不可欠な部分を形成し、実施例を含めた、全体として解釈される記載から、任意の先行技術と比較して新規であると思われる任意の特徴は、その機能およびその一般性において、本発明の不可欠な部分を形成する。]
[0086] ゆえに、各実施例は一般的範囲を有する。]
[0087] さらに、実施例では、特に指定されない限りすべてのパーセンテージは重量に基づいて記載され、特に指定されない限り温度は摂氏温度で記載され、特に指定されない限り圧力は大気圧である。]
[0088] 実施例1:皮膚樹状細胞、LCおよびDDCの調製
血中単球からLCおよびDDCを調製するための方法を2つの連続するステップで実施する。]
[0089] ステップ1:循環末梢血から単球を分離するための方法
1名以上のヒトドナーの循環静脈性末梢血を抗凝血剤、好ましくはヘパリンリチウムの存在下で収集する。]
[0090] 循環血液からの単球の分離は、有利には、以下のプロトコルにしたがって実施することができる:
1/リンパ球分離媒体で血液を遠心分離した後、単核細胞を回収し、次いで:
・磁気ビーズにカップリングされた抗体反応混液、例えば抗CD3、抗CD7、抗CD16、抗CD19、抗CD56、抗CD123、抗グリコホリンA抗体でマーキングする。磁気カラムに通した後、マーキングされていない単球のみを溶出させ、回収する。]
[0091] ・または、磁気ビーズにカップリングされた抗CD14抗体等の単球に特異的な抗体でマーキングする。磁気カラムに通した後、マーキングされた単球のみがカラムに保持される。カラムの溶出後、マーキングされた単球を回収する。]
[0092] ・または、フィコエリトリン等の蛍光色素にカップリングされた抗CD16抗体等の単球に特異的な抗体でマーキングする。フローサイトメトリーによる細胞選別後、マーキングされた単球のみを回収する。]
[0093] 2/ 当業者に周知の任意の物理的分離方法の実施によって、特に沈降または遠心分離によって単球を回収し、後の培養のために、追加のプロセシングなしで溶出させる。]
[0094] 3/収集された血液100mLあたり、抽出収量は約1億5000万(±2000万)個の単核細胞であり、その単核細胞から4000万個までの単球が得られる。]
[0095] ステップ2:循環末梢血からの単球を凍結するための方法
ステップ1で得られた単球を、好適な凍結媒体、例えば90%ウシ胎児血清および10%DMSO(ジメチルスルホキシド)から構成される媒体中で1mLあたり約1000万個の割合で、−80℃〜−196℃で好都合に凍結し、好ましくは液体窒素中で−196℃で急速凍結(cryofreeze)する。]
[0096] この凍結ステップは、有利には、ドナープール、例えば3名の単球ドナーの細胞混合物の調製を可能にする。]
[0097] ステップ3:単離された単球を培養して未成熟LCおよびDDCを得るための方法
ステップ1および/または2で得られた単球を、成分既知または成分未知培養培地、好ましくは、10%ウシ胎児血清を添加されかつ以下の3種のサイトカイン:GM−CSF(200ng/mLの割合の顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)、10ng/mLの割合のTGFβ1(トランスフォーミング成長因子β1)、および10ng/mLの割合のIL−13(インターロイキン13)を含有するRPMI1640培地中で約100万細胞/mLの割合で培養(37℃、5%CO2)する。]
[0098] 培養6日目に、未成熟LCおよびDDCが同時に生成され、それらは、それらのin vivo相同物と表現型的および機能的に非常に類似である:
・in vitroで得られる樹状細胞の40%までは細胞内でランゲリンを発現し、60%まではDC−SIGNを発現し、
・in vitroで得られるLCおよびDDCは未成熟であり、その理由はそれらが基底レベルで共刺激分子CD80およびCD86を発現し、かつ成熟分子CD83およびDC−LAMPを発現しないからであり、
・TNFα(有利には10ng/mL)およびLPS(有利には50μg/mL)での48時間の刺激後、LCおよびDDCは、分子CD80およびCD86の発現の上昇ならびに成熟マーカーCD83およびDC−LAMPの発現の獲得によって示されるように活性化かつ成熟DCの表現型を獲得する。]
[0099] ステップ4:単離された単球を培養して活性化LCおよびDDCを得るための方法
以下の3種のサイトカイン:200ng/mLの割合のGB−CSF、10ng/mLの割合のTGFβ1、および10ng/mLの割合のTNFαの存在下であることを除き、実施例1ステップ3に記載されるように細胞を培養する。]
[0100] 24時間のインキュベーション後、活性化LCおよびDDCが同時に生成され、それらは、それらのin vivo相同物と表現型的および機能的に非常に類似である:
・LCおよびDDCは以下の分子:HLA−DR(クラスIIMHC分子である)、CD80およびCD86(共刺激分子である)、およびCCR7(遊走受容体である)の強い発現を示す。
・また、LCおよびDDCは、ケモカインMIP−3βに応答する高い遊走能力を示す。]
[0101] 実施例2:化粧用有効成分の調製
有効成分は種々の起源(例えば植物起源または特徴付けられた分子)のものである。]
[0102] 植物に応じて、溶媒または溶媒の混合物、好ましくは極性プロトン性溶媒中で、有利には水、アルコール、グリコール、ポリオール、100/0〜0/100(v/v)の水/アルコール、水/グリコールまたは水/ポリオール混合物(例えばエタノール、グリセロール、ブチレングリコールまたは他のグリコール、例えばキシリトール、等と混合された水)中で好ましくは1%〜10%(w/w)の、根、根茎、茎、樹皮、花、果実、芽、種子および葉より選択される植物の少なくとも一部分を、例えば浸漬によって、抽出することが有利である。得られた抽出物を、好ましくは、遠心分離し、かつ/またはろ過し、かつ/または蒸留して、活性な可溶性画分(粗製抽出物)を回収する。活性物質は、有利には、水、アルコール、ポリオール、グリコール、またはそれらの混合物等の溶媒中、好ましくは水中の植物抽出物である。溶媒中に溶解された粗製抽出物(有効成分)を、好ましくは0.001%〜10%(v/v)、有利には有効成分の総重量と比較した粗製抽出物の重量基準で0.01%〜5%、より具体的には1%の濃度で試験に使用する。活性物質は、例えば凍結乾燥または噴霧により、溶媒を蒸発させて除くことによって濃縮することができる。]
[0103] 特徴付けられた分子を、溶媒、例えば水、エタノール、グリコールまたは、好ましくはDMSO中での溶解によって調製し、好ましくは有効成分の重量基準で1×10−7%〜1%、有利には1×10−5%〜1×10−1%、特に1×10−1%の濃度で試験する。]
[0104] 実施例3:化粧用有効成分をスクリーニングするためのモデル
実施例1にしたがって得られたLC/DDCに対して活性剤を試験する。実施例1のステップ3で得られた「未成熟」LC/DDCに対して有効成分を試験する場合、これを予防的ケアと称する。実施例1のステップ4で得られた「活性化」LC/DDCに対して活性剤を試験する場合、これを治癒的ケアと称する。]
[0105] 成分既知または成分未知培養培地、好ましくは10%ウシ胎児血清を添加されかつ以下の2種のサイトカイン:200ng/mLの割合のGM−CSFおよび10ng/mLの割合のTGFβ1を含有するRPMI1640培地中で、例えば400000細胞/cm2の割合で、24ウェルプレートに細胞を播種する。次いで該培養培地に有効成分を加え、以下の終濃度で試験する:
・植物抽出物の場合、0.001%〜10%(v/v)、有利には培養培地の総重量と比較した有効成分の重量基準で0.01%〜5%、特に1%で試験し;
・特徴付けられた分子の場合、1×10−7%〜1%(v/v)、有利には培養培地の総重量と比較した特徴付けられた分子(すなわち化学分子)の重量基準で1×10−5%〜1×10−1%、特に1×10−1%で試験する。]
[0106] 有効成分を5%CO2下で37℃で該培養培地中で48時間まで、有利には24時間インキュベートする。]
[0107] 陰性対照は、培養培地のみ、または試験される抽出物を抽出するためのプロセス中に使用する溶媒を、試験される活性剤の濃度と等しい濃度で含有する培養培地、またはデキサメタゾン(10−8M)(主に抗炎症性グルココルチコイドである)を含有する培養培地である。LC/DDC活性化を誘導するために使用される参照陽性対照はLPS(有利には50μg/mL)およびTNFα(有利には10ng/mL)の混合物である。]
[0108] 実施例4:免疫抑制能を有する選択された有効成分
本発明者らは、3種の特徴付けられた分子(セクリニン、フォリオシジンアセトニドおよび8−オキソプソイドパルマチン)およびさらに4種の植物抽出物(Cestrum latifolium、Phoradendron piperoides、Maprounea guyanensisおよびSpilanthes oleracea)を選択した。それらはそれぞれ表1および2に記載される。]
[0109] 実施例5:化粧用有効成分の細胞毒性の試験
試験される各活性剤に関して、該活性剤が細胞に対して細胞毒性作用を有しないことおよび該活性剤の効果が、有効成分によって誘発される死滅を伴う細胞ストレスの結果ではないことを示すために細胞に対する細胞生存試験を実施する。有効成分は、該活性剤での処理後に細胞生存率が75%未満である場合に細胞毒性作用を有する。]
[0110] 実施例1ステップ3に記載のLC/DDCを200000細胞/ウェルの割合で実施例3に記載の培養培地中でP96ウェルプレートに接種する。有効成分での細胞の処理は実施例3に記載されている。]
[0111] 有効成分での処理後、細胞をウェルあたり5μLの色素7−AAD(7−アミノアクチノマイシンD)とインキュベートする。5分間のインキュベーション後、細胞をフローサイトメトリーによって分析する。]
[0112] 細胞生存率を、生細胞、すなわち、不透過性の膜を貫通しない色素である7−AADが陰性のパーセンテージとして表記する。また、この分析技術は、7−AADで陽性にマーキングされた細胞、すなわち活性剤によって細胞毒性作用を受けた細胞を可視化することを可能にする。]
[0113] 陰性対照は、培養培地のみ、または、試験される活性剤の濃度と等しい濃度の試験される抽出物を抽出するためのプロセス中に使用される溶媒を含有する培養培地である。LC/DDCの死滅を誘発するために使用される参照陽性対照は最終4μMの濃度のカンプトセシンである。]
[0114] 表3は、本発明で選択された有効成分に関する細胞生存率の研究の結果を示す。]
[0115] 結論:
表3に記載の化粧用有効成分はLC/DDCに対する細胞毒性作用を示さない。該有効成分での処理後のLC/DDCの細胞生存率は100%に近い。]
[0116] 実施例6:化粧用有効成分の免疫抑制特性の分析−分子CD86のタンパク質発現の研究
有効成分の免疫抑制能の評価は、該有効成分で処理されたLC/DDC上の活性化分子、例えば共刺激分子CD86の発現の研究を必要とする。]
[0117] フローサイトメトリーは、活性剤で処理されたかそうでないLC/DDCの細胞膜上のCD86のタンパク質発現を定量することを可能にする。]
[0118] フローサイトメトリーによる化粧用有効成分の免疫抑制特性の研究は以下のように進行する:
1/ 実施例1ステップ3に記載されるように未成熟LC/DDCを得る。
2/細胞を、400000細胞/cm2の割合で実施例3に記載の培養培地中でP24ウェルプレートに播種する。有効成分での細胞の処理は実施例3に記載される。並行して、用量/効果相関を確立するために漸減量の有効成分で細胞を処理する:特徴付けられた分子の場合は10−6M〜5×10−8Mであり、植物抽出物の場合は0.1%〜0.005%である。
3/活性剤での処理後、細胞を回収し、マーキンング培地(30%RPMI、68%PBSおよび2%FCS)中で200000細胞/50μL/ウェルの割合でP96ウェルプレートに播種する。
4/フィコエリトリン等の蛍光色素にカップリングされた抗CD86モノクローナル抗体(有利には10μLの抗CD86抗体/ウェル)と細胞を30分間インキュベートする。陰性マーキング対照はIgG1対照アイソタイプに相当する。このマーキングステップ後、細胞を該マーキングバッファーですすぎ、フローサイトメトリーによって分析する。
5/ 表4は、選択された有効成分の免疫抑制特性の分析の結果を示す。結果は以下のように表記される:活性剤で処理されていない対照を分子CD86の100%発現として参照し、有効成分での処理後の分子CD86の残存発現(%単位)として試験を表記する。陰性対照はデキサメタゾンで処理された細胞に相当する。デキサメタゾンはCD86の発現を低下させる特性を有する。また、CD86の残存発現に反比例する免疫抑制のレベルを算出した。]
[0119] 結論:
表4に記載の有効成分は、共刺激分子CD86のタンパク質発現を低下させる能力を有する。ゆえに、該有効成分は、LC/DDCの活性化閾値を上昇させる能力を有する。換言すれば、免疫抑制のレベルが高くて1に近いほど、活性剤の免疫抑制力が大きい。]
[0120] 結論:
表5および6に記載の有効成分は、その終濃度に依存する免疫抑制特性を有する。]
[0121] 実施例7:化粧用有効成分の免疫抑制特性の分析−
分子CD86をコードするメッセンジャーRNAの発現の研究
定量的RT−PCRは、該活性剤で処理されたかされていないLC/DDC中のタンパク質CD86をコードするメッセンジャーRNAの発現を定量することを可能にする。]
[0122] 定量的RT−PCRによる化粧用有効成分の免疫抑制特性の研究は以下のように進行する:
1/ 実施例1ステップ3に記載されるように未成熟LC/DDCを得る。
2/細胞を、400000細胞/cm2の割合で実施例3に記載の培養培地中でP24ウェルプレートに播種する。有効成分での細胞の処理は実施例3に記載されている。
3/ 有効成分での処理後、細胞を回収し、例えばpH7.4のリン酸バッファーですすいだ後に−80℃で乾燥凍結することによって保存する。
4/ 例えばシリカカラムで96ウェル抽出キットを使用して細胞のトータルRNAを抽出し、96ウェル分光光度計で260nmで分析する(純度指標:280nmでのタンパク質のアッセイ)。RNAを例えば5ng/μLに希釈する。
5/ 例えば、アクチンおよび分子CD86の遺伝子に関して96ウェルプレート上の50ngの初期RNAに対してステップ1の定性的RT−PCRを実施する。各遺伝子に関する特異的プライマーは下記表7に指定され、それらを例えば0.5μMで使用する。]
[0123] 研究された遺伝子に関する特異的プライマー
アクチンセンス(配列番号1)GTGGGGCGCCCCAGGCACCA
アクチンアンチセンス(配列番号2) CTCCTTAATGTCACGCACGATTTC

CD86センス(配列番号3) CTCTTTGTGATGGCCTTCCTGC
CD86アンチセンス(配列番号4) CCTGTGGGCTTTTTGTGATGGA]
[0124] 増幅パラメータは、有利には、以下の通りであった:増幅サイクルを実施するOpticonサーモサイクラーでメッセンジャーRNAを含有するウェルに対してQuanti Tect SYBR GreenRT−PCRキット(Qiagen, France)を用いてリアルタイムRT−PCR技術を実施する。逆転写(RT)を50℃で30分実施し、次いで95℃で15分加熱して逆転写酵素を阻害し、ポリメラーゼを活性化し、得られた相補的DNA(cDNA)を変性させる。50サイクルの連鎖重合(PCR)を実施する(95℃で15秒、60℃で30秒、72℃で30秒)。各サイクルの終了時に、増幅断片の数に比例する蛍光を読み取る。アクチンと比較された各遺伝子の発現の比によって発現のレベルを規定する。]
[0125] 6/ 表8は、選択された有効成分の免疫抑制特性の分析の結果を示す。結果を以下のように表記する:未処理対照を、分子CD86をコードするメッセンジャーRNAの100%発現で参照し、陰性対照に関して得られた変化と比較された変化のパーセンテージとしてCD86をコードするメッセンジャーRNAの発現のレベルとして試験を表記する。]
[0126] 結論:
表7に記載の有効成分は、共刺激分子CD86をコードするメッセンジャーRNAの発現を低下させる能力を有する。ゆえに、該有効成分は、LC/DDCの活性化閾値を上昇させる能力を有する。換言すれば、免疫抑制のレベルが高くて1に近いほど、活性剤の免疫抑制力が大きい。]
[0127] 実施例8:免疫抑制性有効成分で処理されたLC/DDCの危険信号への応答能の研究
また、有効成分の免疫抑制能の評価は、LC/DDCが、該有効成分で処理された場合に、危険信号、例えば細菌感染に反応する能力の研究を必要とする。特に、本発明者らは、有効成分で同時に処理されかつ危険信号によって活性化されたLC/DDCが、危険信号を認識するその機能に関して依然として有能であることを調べた。このために、本発明者らは、有効成分で同時に処理されかつLPSおよびTNFαで刺激されたLD/DDCが、この刺激後に共刺激分子CD86を過剰発現することが可能であることを調べた。]
[0128] フローサイトメトリー研究は以下のように進行する:
1/ 実施例1ステップ3に記載されるように未成熟LC/DDCを得る。
2/細胞を、400000細胞/cm2の割合で実施例3に記載の培養培地中でP24ウェルプレートに播種する。LPS(有利には50μg/mL)およびTNFα(有利には10μg/mL)の混合物を該培養培地に加える。同時に、実施例3に記載したように有効成分で細胞を処理する。
3/ 有効成分で同時に処理されかつLPSおよびTNFαで刺激された細胞を、実施例6に記載したように、フローサイトメトリーによって分析し、「処理+刺激」後の分子CD86の残存発現を定量する。
4/ 表9は、選択された有効成分で同時に処理されたLD/DDCの危険信号への応答能の分析の結果を示す。結果を以下のように表記する:活性剤で処理されずかつLPS+TNFαで刺激されなかった対照を分子CD86の100%発現で参照し、「処理」後、「処理+刺激」および「刺激」後の分子CD86の残存発現として試験を表記する。また、本発明者らは、危険信号への応答能のレベルを算出した。それは、処理+刺激後のCD86の残存発現に比例する。]
[0129] 結論:
有効成分で同時に処理されかつTNFα/LPSで刺激されたLC/DDCは、処理+刺激後の共刺激分子CD86の残存発現によって示されるように、この危険信号に反応する能力を有する。ゆえに、細胞は、その基底状態の応答能に近い危険信号への応答能を有する。]
[0130] 実施例9:免疫抑制性有効成分での処理後のLC/DDCの危険信号への応答能の研究
実施例8のように、本発明者らは、LC/DDCが、有効成分で前もって処理されていて、もはや処理中ではない場合に、危険信号、例えば細菌感染に反応することが可能であることを調べた。このために、本発明者らは、該有効成分で処理され、次いで(有効成分の不存在下で)LPSおよびTNFαで刺激されたLC/DDCが、この刺激後に共刺激分子CD86を過剰発現することが可能であることを調べた。]
[0131] フローサイトメトリー研究は以下のように進行する:
1/ 実施例1ステップ3に記載されるように未成熟LC/DDCを得る。
2/細胞を、400000細胞/cm2の割合で実施例3に記載の培養培地中でP24ウェルプレートに播種する。有効成分での細胞の処理は実施例3に記載されている。
3/ 有効成分で処理された細胞を、有効成分なしで、実施例3に記載の培養培地中でさらに48時間再培養する。LPS(有利には50μg/mL)およびTNFα(有利には10μg/mL)の混合物を該培養培地に加える。次いで実施例6に記載したようにフローサイトメトリーによって細胞を分析し、「前処理+刺激」後の分子CD86の残存発現を定量する。
4/ 表10は、選択された有効成分で前もって処理され、もはや処理中ではないLC/DDCの危険信号への応答能の分析の結果を示す。結果を以下のように表記する:活性剤で処理されずかつLPSおよびTNFαで刺激されなかった対照を分子CD86の100%発現で参照し、「刺激」後および「前処理+刺激」後の分子CD86の残存発現として試験を表記する。また、本発明者らは、危険信号への応答能のレベルを算出した。それは、前処理+刺激後のCD86の残留発現に比例する。]
[0132] 結論:
有効成分で前処理され、次いでTNFα/LPSで刺激されたLC/DDCは、前処理+刺激後の共刺激分子CD86の残存発現によって示されるように、この危険信号に反応する能力を有する。ゆえに、細胞は、その基底状態の応答能に近い危険信号への応答能を有する。]
[0133] 実施例10:水中油型エマルジョンタイプの化粧用または医薬製剤での本発明の生成物の使用]
[0134] 実施例11:油中水型タイプの製剤での本発明の生成物の使用]
[0135] 実施例12:シャンプーまたはシャワージェルタイプの製剤での本発明の生成物の使用]
[0136] 実施例13:リップスティックタイプの製剤および他の無水製品での本発明の生成物の使用]
[0137] 実施例14:水性ゲル製剤(アイコントアー(eye contour)、スリミング(slimming)、等)での本発明の生成物の使用]
[0138] 実施例15:三重エマルジョンタイプの製剤での本発明の生成物の使用]
実施例

[0139] 実施例16:本発明の生成物を含有する医薬製剤の調製]
权利要求:

請求項1
化粧用組成物中の個体の免疫細胞の活性化閾値を上昇させるための活性剤としての、または好ましくは個体の免疫応答の活性化閾値を上昇させることを意図した医薬組成物、特に皮膚科学組成物の調製のための、Cestrumlatifoliumの植物抽出物、Phoradendronpiperoidesの植物抽出物、Spilanthesoleraceaの植物抽出物、Maprouneaguyanensisの植物抽出物、セクリニン(securinine)、フォリオシジンアセトニド(foliosidine acetonide)、8−オキソプソイドパルマチン(8-oxopseudopalmatine)、またはそれらのいずれかの組み合わせより選択される少なくとも1種の有効成分の使用。
請求項2
皮膚および/もしくは粘膜免疫反応を低減および/または予防するための、請求項1に記載の少なくとも1種の有効成分の使用。
請求項3
免疫細胞の少なくとも1つのタイプ、特に樹状細胞の活性を低下および/または阻害するための、請求項1に記載の少なくとも1種の有効成分の使用。
請求項4
少なくとも表皮ランゲルハンス細胞(LC)および/または真皮樹状細胞(DDC)の活性を低下させるための、請求項1に記載の少なくとも1種の有効成分の使用。
請求項5
鎮静剤と組み合わせた、請求項1〜4のいずれか1項に記載の少なくとも1種の有効成分の使用。
請求項6
植物抽出物の量が、組成物の重量基準で0.001%〜10%、優先的には組成物の重量基準で0.01〜5%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の少なくとも1種の有効成分の使用。
請求項7
セクリニン、フォリオシジンアセトニド、および/または8−オキソプソイドパルマチンの量が、組成物の総重量に対して、1×10−7重量%〜1重量%、有利には1×10−5重量%〜1×10−1重量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の少なくとも1種の有効成分の使用。
請求項8
有効成分が、Cestrumlatifoliumの植物抽出物および/またはセクリニンである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の少なくとも1種の有効成分の使用。
請求項9
以下:(i)未成熟樹状細胞により基底レベルで発現されるCD86;(ii)活性化樹状細胞により発現されるCD40、CD54、CD80、HLA−DR、CCR7またはCD86;および(iii)活性化成熟樹状細胞により発現されるCD40、CD54、CD80、HLA−DR、CCR7、CD86、CD83またはDC−LAMPより選択されるマーカーの少なくとも1つのタイプの発現を皮膚で低下させるための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の少なくとも1種の有効成分の使用。
請求項10
敏感、反応性かつ/もしくは過反応性の皮膚を手当てしかつ/または処置するための美容法での、請求項1〜9のいずれか1項に記載の少なくとも1種の有効成分の使用。
請求項11
非審美的かつ/もしくは不快な症状、特に、皮膚の刺すような痛み(stinging)、火傷の感覚、掻痒感、こわばり、目に見える鱗状化および肥厚化を低減させかつ/または予防するための美容ケア法および/または治療法での、Cestrumlatifoliumの植物抽出物、Phoradendronpiperoidesの植物抽出物、Spilanthesoleraceaの植物抽出物、Maprouneaguyanensisの植物抽出物、セクリニン(securinine)、フォリオシジンアセトニド(foliosidine acetonide)、8−オキソプソイドパルマチン(8-oxopseudopalmatine)、またはそれらのいずれかの組み合わせより選択される少なくとも1種の有効成分の使用。
請求項12
炎症または皮膚および/もしくは粘膜のアレルギー反応、特に接触反応、遅延型接触過敏症、接触湿疹、蕁麻疹、特に接触蕁麻疹、炎症性もしくはアレルギー性接触皮膚炎、および/またはアトピー性皮膚炎を予防および/または治療するための医薬組成物、特に皮膚科学組成物の調製のための、請求項1〜10のいずれか1項に記載の少なくとも1種の有効成分の使用。
請求項13
抗炎症剤をさらに含む医薬組成物の調製のための、請求項12に記載の少なくとも1種の有効成分の使用。
請求項14
局所投与に好適な化粧用ビヒクル中に、0.001重量%〜10重量%の濃度でのCestrumlatifoliumの植物抽出物、Phoradendronpiperoidesの植物抽出物、Spilanthesoleraceaの植物抽出物、1×10−7%〜1%の濃度でのセクリニン、フォリシジンアセトニド、8−オキソプソイドパルマチン、およびそれらのいずれかの組み合わせより選択される有効成分を含む化粧用組成物。
請求項15
局所投与に好適な医薬用および/または皮膚科学用ビヒクル中に、Phoradendronpiperoidesの植物抽出物、Cestrumlatifoliumの植物抽出物、Spilanthesoleraceaの植物抽出物、セクリニン、フォリシジンアセトニド、8−オキソプソイドパルマチン、およびそれらのいずれかの組み合わせより選択される有効成分を含む、樹状細胞の免疫応答の活性化閾値を上昇させるための、特に皮膚および/もしくは粘膜の免疫応答により引き起こされる病理状態を予防および/または治療するための、医薬組成物および/または皮膚科学組成物。
請求項16
炎症または皮膚および/もしくは粘膜のアレルギー反応、特に接触反応、遅延型接触過敏症、接触湿疹、蕁麻疹、特に接触蕁麻疹、炎症性もしくはアレルギー性接触皮膚炎、および/またはアトピー性皮膚炎を治療することが意図されている、請求項15に記載の医薬組成物および/または皮膚科学組成物。
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